【インタビュー】和田明日香さん「きのこは、わが家の食卓を支えてくれている食材です!」

【インタビュー】和田明日香さん「きのこは、わが家の食卓を支えてくれている食材です!」

食の専門家であり、3人のお子さんを育てる母でもある和田さん。現在、空前のきのこブームという和田家で定番のきのこ料理や、きのこの魅力について、お話しいただきました。

きのこが苦手だった子どもが 奪い合って食べるほど大好きに

ここ数か月、毎日きのこ料理を作っているという和田さん。実は和田家では今、空前のきのこブームなのだそう。
「きっかけは、農家さんからたくさんしいたけをいただいたこと。今では子どもたちはきのこ全般が好きで、子どもと一緒に買い物に行くと、『ママ、きのこ買った?』って確認されるくらいです(笑)。次女は料理からきのこだけつまんでいるし、以前はきのこが苦手だった長女も、今では奪い合って食べています(笑)」

和田さんが『なかのきのこ新聞』の取材を受けることを伝えると、「やったね‼」「私たちがきのこ好きって知られてるの?!」と大興奮だったのだとか。そんなお子さんたちに最近ヒットしたきのこ料理、教えていただけますか?

「お好み焼きをつくるとき、豚肉を敷いた上にしめじをたっぷりのせてからタネを流して焼いたら、豚肉もしめじもカリカリになってすごくおいしかったですね。あとは、2日に1回くらいきのこスープを作ります。焼き目が付くくらい炒めてから、お水を入れて味付けするんですが、水から煮るよりコクが出て香ばしくなるんです」

きのこは失敗しにくい食材 。料理が苦手な人にもおすすめ

メディアでは、段取りよく作る家庭料理が評判の和田さんですが、きのこは、味だけでなく使いやすさも魅力と言います。
「焼いてよし、煮てよし、蒸してよし。どんな料理にも合います。加えることで、かさ増しできたり、栄養がプラスされたり、自然にうま味がアップしたり。火の通りが早いし、火をしっかり通してもおいしい。レンジ調理もしやすいです。失敗が少ない、お助け食材だと思っています」

長野県中野市はえのきたけの生産量が日本一。えのきたけの使い勝手はいかがでしょうか?

「家で作るハンバーグやつくねなど、ひき肉をこねて丸めて焼く系の料理には、必ずえのきたけを入れますね。みじん切りにして肉ダネに混ぜると、しっかり焼いてもふわふわに仕上がりるんです」
義母・平野レミさんの教えもあって、野菜をたくさん食べることを意識している和田家。食事のときには子どもたちに、「今日使った野菜は何でしょう?」とクイズを出すのが日課なのだそうですが、
「ハンバーグが食卓に出たときは、食べる前から『えのきー!』と当てられてしまいます(笑)。わが家の食卓を、底力で支えてくれている食材です!」

料理を作る人が無理なく気楽でいてほしい

食べることは好きだったけれど、結婚前までほぼ料理をしなかった和田さん。
「夫の母がレミさんだと知り、これはまずい…と(笑)。それから料理を始めましたが、いろいろ試行錯誤しました。常識とされることも、ホントかな?と実際に試してみたり。そのうえで、『意外と自由でいい、好きな味を追求すればいい』と思えたら気が楽になりました」
今は、イメージした料理を、どんな材料でどう作ればよいかを考えるのが本当に楽しいそうで、
「まさにコレ!というものができたときは、最高に嬉しいです」

最後に、メッセージをいただきました。
「毎日料理をしていると、プレッシャーで苦しくなることもありますよね。でも作る人がカリカリすると、食事が楽しいものでなくなってしまいます。だから、作る人が一番気楽でいるべき。今はテイクアウトも増えているし、実際、私も頼っています! そういうときに一品、きのこを切って入れただけの味噌汁などが出せれば、自分でも料理をあきらめなかったと思えるし、パパッと作る味噌汁の意外なおいしさに気づいたりもします。そんな小さなことの積み重ねで料理のモチベーションは続くので、まずは無理をしないことが大事だと思います」

▲和田家の食卓に並んだ中野産フラワーえのきを使った「きのこのから揚げ」。カラッと揚がったきのこは「ベビースターみたい!」と子どもたちに大好評。あっという間に完食だったそう。

▲和田明日香さんの新刊レシピ本新刊『10年かかって地味ごはん。』(主婦の友社/1430円)が好評発売中です。料理経験ゼロからスタートした和田さんが、迷いなく美味しく作れるようになるまでの道のりでつかんだコツを「友達に話す感覚で書いた」わかりやすいレシピと共に紹介した一冊です。表紙はなんと、えのきたけを使った鶏つくねです。

投稿日:2021年5月12日
和田明日香 Profile
1987年生まれ。料理研愛好家の平野レミの次男との結婚、出産を機に、食育インストラクターの資格を取得。テレビや雑誌など多くのメディアで、家庭料理のアイデアを紹介している。著書に『和田明日香のほったらかしレシピ・献立編』(タツミムック)などがある。