日本有数のきのこ産地・長野県中野市

長野県北部に位置する中野市は、自然が豊かで古くから農業が盛んに行われてきました。特にきのこの生産量では全国有数の産地となっており、えのきたけでは日本一の生産量を誇ります。

中野市でえのきたけ栽培が始まったのは1957年。冬の農閑期の副業として農家の間で普及しました。その後、専業で行う生産者が増え、施設生産へと発展します。長年にわたる技術や品種の改良、農協と生産者で分業システムを築き上げることで、品質や生産量を向上させてきました。近年では栽培施設の大型化、最新技術の導入によって収量が大幅に増加しています。ほかにも、ぶなしめじ、エリンギ、なめこはもちろん、珍しい高級きのこも生産され、“きのこ王国” を築き上げています。


中野市のきのこ

えのきたけ

国内で最も多く栽培されているきのこで、中野市が全国第1位の生産量・シェアを誇っています。軸がしっかりしており、傘が開ききらず白色でつやのあるものが香りも味も格別。えのきたけだけに含まれる成分「エノキタケリノール酸」は内臓脂肪燃焼効果が期待されています。

●主な栄養分:食物繊維、カリウム、ビタミンD

●おすすめの食べ方:和え物、天ぷら、肉巻きなど

ぶなしめじ

国内生産量はえのきたけに次いで2位の人気きのこ。長年の品種改良で苦味成分が抑えられ、食べやすくなりました。うま味もたっぷりで歯ごたえも良く、味にくせがないので和洋中さまざまな料理に使えます。疲労回復効果のあるオルニチンや脂質の代謝を促すビタミンB2が含まれています。

●主な栄養分:食物繊維、ビタミンB群、オルニチン

●おすすめの食べ方:炒め物、スープ、揚げ物など

エリンギ

ヨーロッパ原産のきのこで、日本で栽培が始まったのは1993年。他のきのこより歴史は浅いですが、ポピュラーなきのこになっています。弾力のある太い軸は、割く・乱切り・輪切りなど切り方によって違う食感が楽しめます。淡白でくせのない味わいなので和洋中どんな料理にも合います。

●主な栄養分:食物繊維、カリウム、ビタミンD

●おすすめの食べ方:グリル焼き、唐揚げ、パスタなど

なめこ

昔から親しまれてきたきのこ。ヌルヌルとした粘性物質に覆われており、ツルリとしたのど越しが特徴です。ヌルヌル成分は水溶性食物繊維で腸内環境を整える働きがあります。株からばらしてパック詰めされた小粒のなめこのほかに、株つきのものも出回っています。

●主な栄養分:食物繊維、カリウム、ナイアシン

●おすすめの食べ方:味噌汁、おろし和え、あんかけ料理など

茶えのき

野生のえのきたけをイメージして作られた品種。山茶茸、柿ノ木茸としても流通しています。傘にはなめこに似たぬめりがあり、白いえのきたけより風味が強く、軸が太めで独特の歯ごたえがあるのが特徴です。うま味成分のアミノ酸が白いえのきたけよりも豊富に含まれています。

●主な栄養分:食物繊維、ビタミンD

●おすすめの食べ方:味噌汁、天ぷら、鍋など

まいたけ

舞い踊りたくなるほどのおいしさから舞茸と名付けられたと言われるきのこ。花びらのような傘が特徴で、鮮度がいいものは傘にパリッとした張りがあります。産地ではシャキシャキ食感の茎部分も好まれています。免疫力アップの働きがあるβ‐グルカン、ビタミンDを豊富に含んでいます。

●主な栄養分:食物繊維、ビタミンD、β‐グルカン

●おすすめの食べ方:炊き込みご飯、炒め物、パスタなど

黒あわび茸

亜熱帯地域で採れるきのこですが、中野でも通年栽培が行われています。傘の色は黒から茶褐色、魚介のアワビのようなコリコリとした食感が特徴です。火を通しても食感は変わらず歯切れの良さを楽しめます。うま味成分も豊富で味にクセがないので和洋中さまざまな料理に使えます。

●主な栄養分:食物繊維、カリウム、ビタミンB1

●おすすめの食べ方:バターソテー、天ぷら、煮物など

バイリング

中国原産の高級きのこで、日本には近年入ってきました。栽培に手間と時間がかかるため流通量の少ない希少なきのこです。色は純白で肉質は厚くやわらか。カサはシコシコでツルッとしており、軸はコリコリした食感が楽しめます。味にくせがないので、様々な料理に使えます。

●主な栄養分:オルニチン、グルタミン酸、トレハロース

●おすすめの食べ方:バターソテー、オイル煮、フライなど