食物繊維で生活習慣病リスク低下⁈ 食物繊維を摂るならきのこがおすすめ
きのこにも豊富に含まれている「食物繊維」は、腸活効果や生活習慣病予防など、さまざまな健康効果があることが注目されています。その重要性は、国が摂取を推奨しているほど。今回は、食物繊維の働きや、「食物繊維を摂るならきのこがおすすめの理由」について詳しく解説します。
■食物繊維の摂取量が増える!
健康のためにどんな栄養素をどれくらい摂るべきか?その基準は、厚生労働省がまとめる「食事摂取基準」に定められ、5年に1度改定されます。現在、2025年度以降の内容が検討されており、特に注目されているのが「食物繊維」です。
最新の研究では食物繊維を多く摂ることが生活習慣病のリスク低下につながると考えられていることから、食物繊維の「理想的な摂取量(成人)」を、これまでよりも1グラム高い、 25グラムに見直しをする方向であると発表されました。
ちなみに令和元年の国民健康・栄養調査によると、実際に摂っている1日あたりの食物繊維量は 18 グラム(20 歳以上男女中央値)です(※1)。「理想的な摂取量25グラム」を満たすには、より積極的な摂取が必要になります。
■食物繊維の役割
食物繊維の種類は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」に分けられ、それぞれ働きが異なります。
【水溶性食物繊維】
・コレステロールの吸収をおさえて体外へ排出する→脂質異常症などの予防
・血糖値の上昇をゆるやかにする→糖尿病の予防
・腸内の善玉菌を増やす→腸内環境をととのえる
(多く含まれるもの:こんぶ、わかめ、大麦、果物、里芋など)
【不溶性食物繊維】
・腸を刺激して動きを活発にする、便のかさを増やす
・水分を吸収し、便をやわらかくする
→排便をスムーズにし、便秘予防・改善
→有害物質を便と一緒に排出し、腸をきれいに
(多く含まれるもの:穀類、豆類、きのこ、野菜など)
食物繊維のチカラを効率よく役立てるには、両方をバランスよく摂ることを心がけましょう。
■食物繊維を多く含む食材と含有量
勘違いされやすいのですが、食物繊維1g=「食材1g」ではありません。食材の中にどのくらい食物繊維が含まれているかが大切なのです。どのような食材に多いのか、ふだん食べている食材の食物繊維量を知り、摂取量を満たせるよう意識しましょう。
その他、主食では白米1杯(150g)で2.3g、食パン6枚切り1枚で2.5g、ゆでうどん1玉で3.3g。身近な食品だと納豆1パックで3.4g、ココア1杯で1.2g摂れます。
また、ひじき1人分(5g)で2.6g、きくらげ1人分(5g)で2.9g、切り干し大根1人分(10g)で1.6gと、乾物食材にも食物繊維は豊富に含まれています。
■食物繊維アップにきのこが役立つ!
食物繊維の摂取量を増やすのにおすすめなのが「きのこ」です。きのこは食物繊維たっぷり!のイメージをお持ちの方も多いと思いますが、魅力はそれだけではありません。毎日の食物繊維アップに役立つきのこのおすすめポイントをご紹介します。
①2種類の食物繊維が摂れる
きのこは不溶性食物繊維がメインですが、実は水溶性も含まれているため、両方を摂ることができます。特になめこは水溶性食物繊維が豊富です!きのこの種類によって不溶性・水溶性のバランスが違うので、いろいろなきのこを食べるとよいですよ。
②どんな料理にも使いやすい
炒めもの、汁物、煮物、和え物などさまざまな料理に使いやすいきのこ。和洋中どんな味付けでも合わせやすいので、毎日の料理に手軽に食物繊維をプラスできます。火通りがよく調理に時間がかからないのも日常使いしやすいポイントです。
③冷凍できるから保存にも便利
食物繊維を毎日、習慣的に摂っていくには、食事作りへの取り入れやすさも大切です。きのこは冷凍保存ができるので、いつもストックしておけます。食物繊維をプラスしたいときに、みそ汁や煮物に凍ったまま加えるだけでOKなのでとっても便利です。
④低カロリーでヘルシー!
いも類や穀類なども食物繊維が豊富ですが、食べすぎは糖質やカロリーが気になりますよね。きのこは低カロリーなのでたくさん食べてもヘルシー。きのこをたっぷり料理に使うとカサマシ効果や、よく噛んで食べることから自然と早食い予防にもなりますよ。
いかがでしたか?カラダにとってさまざまな健康効果が期待できる食物繊維。理想的な摂取量を満たすには、毎日の食事でコツコツ摂り続けることが大切です。食卓で「きのこの出番」を増やし、おいしく便利に食物繊維をアップしていきましょう。
(※1)令和元年 国民健康・栄養調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000711006.pdf