【きのこのチカラ⑤】食事にプラスきのこで「疲れ」をためない体に!

【きのこのチカラ⑤】食事にプラスきのこで「疲れ」をためない体に!

昨年から大きく変わった生活が徐々に元に戻り始めています。
環境の変化、季節の変わり目は体に疲れがたまりやすい時です。毎日の食事に「きのこをプラス」して“疲れ”をためない体にしておきましょう。今回は、きのこが「疲労回復」にいい理由をご紹介します。

【きのこが「疲労回復」におすすめの理由】
炭水化物(糖質)をはじめとするエネルギーを生成する栄養素は、ビタミンB群のサポートを受けてエネルギーに変わります。中でも、エネルギー源の主体となる糖質の代謝にはビタミンB1が欠かせません。不足すると、エネルギーに変換できず、疲れやすくなります。きのこは、ビタミンB1やB2などのビタミンB群を多く含んでいる食品です。食事にきのこを加えることで、エネルギーの代謝がスムーズに行われます。

【「疲労回復」効果を高める食べ方】
アリシンと一緒に摂取で効果アップ
ニンニクやタマネギなどに含まれる臭いの成分アリシンは、ビタミンB1と結合することでアリチアミンという安定した物質になるため血液中に長くとどまり、疲労回復効果を持続させることができます。

ビタミンB1は毎日摂取を
ビタミンB1は水に溶けやすい性質なので、汁ごと食べられる料理がおすすめです。また、必要以上に取ったものは排泄されるため、毎日、摂取するようにしましょう。

糖質の摂り過ぎに注意
糖質摂取が過剰であれば、仮にビタミンB1をしっかり摂っていても、エネルギー代謝はうまくいきません。偏った食事にならないように、ビタミンやミネラル、エネルギー源となる栄養素をバランスよく摂っていきましょう。

休息・睡眠不足も疲労の要因になりますので、しっかり体を休めることも大切です。また、これからの寒い時期には、身体を温めて血行を促すきのこたっぷりの温スープがおすすめです。きのこのうま味で減塩してもおいしく、腸内環境を整える食物繊維をたくさん摂れますよ。

投稿日:2021年11月8日
宮澤紀子先生 Profile
博士(農学)、管理栄養士。高崎健康福祉大学助手、助教、東京農業大学助教を経て2018年4月女子栄養大学専任講師。日本きのこ学会評議員、きのこマイスター講座講師。2011年日本きのこ学会奨励賞受賞。主な著書に「からだがよろこぶ エノキ氷健康レシピ」「きのこの教科書」「きのこの生理機能と応用開発の展望」などがある。